はじめに
Windows環境を整理する際、不必要なユーザープロファイルを削除することがあります。
単にフォルダを削除するだけでは、システム内に情報が残り、正常に動作しない場合があるため注意が必要です。
本記事では、Windows10とWindows11共通の「正しいユーザープロファイル削除方法」をまとめます。
特に、レジストリのクリーニングも忘れず行うことが重要です。
ユーザープロファイルの削除手順
1. 事前確認・バックアップ
削除対象のプロファイルに必要なデータがある場合は、必ずバックアップしておきましょう。
また、レジストリを操作するため、万一に備えてレジストリ全体、または対象部分のエクスポートも推奨します。
reg export "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList" backup_ProfileList.reg
2. UIからユーザープロファイルを削除
Windows10の場合
Win + R
キーを押し、「sysdm.cpl
」と入力して[OK]。- 「システムのプロパティ」>「詳細設定」タブを開く。
- 「ユーザープロファイル」の「設定」をクリック。
- 削除したいユーザーを選び、「削除」をクリック。
Windows11の場合
Win + I
キーを押して「設定」アプリを開く。- 「アカウント」>「他のユーザー」を選択。
- 対象のアカウントの「削除」を実行。
※ Windows11でも「システムのプロパティ」から従来通り削除も可能です(
sysdm.cpl
経由)。
3. レジストリから残骸を削除する
プロファイルフォルダを削除しても、レジストリにはSID(セキュリティID)が残っていることがあります。
このままだと、新しいプロファイル作成時に不具合を起こす場合があります。
手順は以下の通りです。
Win + R
→「regedit
」と入力しレジストリエディタを起動します。- 次のキーを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList
S-1-5-21-
から始まるキーを1つずつ開き、「ProfileImagePath」の値を確認します。- 削除したいユーザーに該当するキー(フォルダ)を、右クリック > 削除します。
※ SIDが分からない場合は、コマンドプロンプトで以下を実行すると自分のSIDが確認できます。
whoami /user
4. システムの再起動
レジストリの編集が完了したら、パソコンを再起動します。
再起動後、対象のユーザープロファイルが完全に削除され、新規プロファイルが正常に作成できる状態になります。
注意点
- Microsoftアカウント連携しているユーザーの場合、アカウントの解除を先に行ってください。
(Windows11:「設定」>「アカウント」>「他のユーザー」から削除) - OneDriveやクラウドサービス連携を利用している場合、GUID情報が残ると同期エラーの原因になることがあります。必要に応じてOneDriveのアカウント設定も確認してください。
まとめ
ユーザープロファイルを削除する場合、フォルダの削除だけでは不十分です。
レジストリ内の関連情報も合わせて削除することで、Windows10でも11でもトラブルなくクリーンな状態を維持できます。
システムの整理や、HDD/SSD容量の確保を行う際には、今回の手順を参考にして慎重に作業を進めてください。